本音のつきあいー不満を伝える?

人とのふれ合いの中で一番難しいこと、それは、なにか摩擦があった際に、ネガティブな気持をその本人に伝えることではないでしょうか?どんなに仲の良い友達同士でも、つき合っていく上で、相手に対して不満がでてきた場合、どんな小さいことでもやはり言いにくいものです。そして、その本音がいえないことから、友人関係もそこ止まりのつきあいになってしまう場合も多くありませんか?本当に仲の良い友達だったら、本音で付き合い、互いの成長のために、ネガティブ、ポジティブ関係なくあるがままの気持を伝える、そうあるべきなのでは、と思うのは理想レベルでのことだけなのでしょうか。もちろん、この本音とは、相手と自分を思いやり、互いの成長を想いやる「こころ」から発せられることが基本となっています。

家族以外の人との接触で不満を感じた場合、どうその本音を伝えるか、これは私にとって小学校高学年から大人になるまでずっと大きな課題でした。友達との接点で不満や嫌な思いをしても、それをストレートに言えず、どれほど悩んだことか。しかし、そんな私も思春期後半20代ごろからようやく、「本当の友達ならお互い本音で」をモットーにしてきたつもりです。最初の頃は、それはそれは神経をすり減らしながら、タイミングを伺い、なんとか「わたしの中の真実」を伝えようと苦悩していたものでした。どうしてそんなにまでして「本音で」のつきあいを追求していたのかわかりません。しかし、段々、そうする度に、相手からもポジティブな反応を得ることができ、確実に自信がついてきました。また、互いに理解しあいたいという気持から言ったことなのに、激怒されたり、軽くあしらわれたりした場合は、スーッと自然に相手へのつながりが薄れてゆくのを感じました。「わたしのひとりよがりだったのかな」とか「今は絆を深める時ではないんだな」となりゆきに任せることも体得してきました。
すると、私の意識の変化とともに友達として縁のある人々もかなり変わっていきました。新しく出会う人の中で「ピンとくる人の層」がまず違ってきたんですね。ちょっと前なら親しいおつきあいに発展しないのではと思われるような方、または変わり者と思われているような方とも共通点が増えていき、また、うわべや互いの欠点がベースになるおつきあい、そして一緒にいると疲れる相手との付き合いも減っていきました。その代わり、ズバズバ意見をいう人や違った視点から物事を見ている人といる時間が増えていったのです。ということは、もちろん、一瞬ヒヤッとするような図星コメントをもらう機会も増えてきたことも確かです。自分の中の子供の部分が、ぴくっと反応し、とっさに、素直に受け止められないこともあるかと思えば、また、小学校に馴染めなかった頃の名残りか、すぐに「自分が間違っていたんだ!」と思ってしまいがちなこともある私。つまり、とっさに正しい判断をすることは容易でない場合が多いのです。そこで、私の「反応のゲージの癖」を深く理解するとともに「ちょっと待てよ」と状況を考慮する時間の余裕を持たせることにしました。即答の必要はありません。時間は、かけたいだけかけてじっくり答えをだせばよいのです。

その「審査」の間、そこにあるのは「自分がどれだけ自分に素直になれるか」、また「等身大の自分をみる勇気があるか」だけです。相手に対しての感情、プライド等もすべて自分から発せられた感情で、相手はそういった自身の性質を気づかせてくれる「きっかけ」を作ってくれただけ。できるだけ素直な視点から、カチンと反応した自分をみつめていくことでより正当な「審査」ができるのかと思います。こうして考えてみると、人付き合いの中で、「相手への不満を伝える」また「自分へ向けられた不満を受け入れる」どちらも相手がいることですが、どちらとも「己との戦い」として受け止めることで視点が変わってくるようですね。

実際、 とっさの反応では、つい「相手が悪い!」とか「相手のせいでこんな思いをさせられて!」と思うこともありますよね。逆に、「全部自分が悪い」と思う必要ももちろんないのですが、正当に状況を考え判断することで自分の中の気持をまず整理すること、この「自分と向き合う時間」が私にはとても大事です。そのプロセスの中で「これは自分の問題」「あれは相手の問題」と識別していけるのです。その後、その「カチンときた状況」を相手と話していくことが、互いの成長につながり、また互いの結びつきを深めていくのに役立つと思われる場合は、思い切って相手と向き合い本当のことを言います。これは誰が正しくて、誰が間違っていたというレベルの問題ではなく、互いの接点で生まれる摩擦を互いが理解することで互いの成長につなげ、互いの絆を深めていくためのものだと思います。

アメリカで人間関係についてのセラピーに専念してきた精神科医のIrvin D. Yalom博士によると「人の悩みのその大半は、人間関係に根ざしている」と言っています。やはり我々はひとりきりでは、生きていけないんですね。自立はもちろん大事ですが、人と人との接点でどう対応するかで毎日の充実感や満足度も違ってくるのでしょうね。奥が深いトピックですから、よろしければ、自分の「反応のゲージの癖」について考えながら自分自身をもっと理解するよい機会になればと思います。
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Posted at 2011.05.09 (10:04) by () | [編集]
ゆかさん、
お返事が大変遅れました。
メールどうもありがとう。
私のつたないブログも見ててくださっているんですね。
電話窓口の方はお陰さまでようやく多少軌道に乗ってきました。

正直、ゆかさんが辞められたときは残念でした。
でもね、みんな自分の「内なる声」に忠実に生きないとだめですよね。
ゆかさんが説明してくれた内容は、もう本当に「心からの叫び」、という感じがしました。

私とていつも「内なる声に忠実に!」をモットーに生きようと試行錯誤していますから
ゆかさんのメールの真意はすぐにわかりました。

お互い色々ありますが「内なる声」に忠実に生きていきましょうか。

電話窓口も気が向いたらまた短期で戻ってくることもできますよ。
他、モザイクも今年は8.9月ごろ、原爆のサバイバーであるシドニー在住の森本さん(絵本作家)を
お招きしての会も予定しています。
詳細はまだわかりませんが、コミュニティーネットのサイトもみてみてください。

それでは、お元気で。


> かおるさん、ご無沙汰しています。
> かおるさん、どうしてるかな?と気になって覗きにきました。
> 私が皆さんにカウンセラーを辞めるメールを出したときには、本当にどういう反応がくるか怖くてドキドキしていました。でも皆様お一人からそれぞれすっごく暖かいお言葉を頂いて涙がでるほど嬉しかったです。心から話せば相手の心に通じるものだと思いました。その後、連絡しなくてごめんなさい。
> また何かの時にお会いできたらと思います。
> みずえさんと京子さんにもよろしくお伝えください。
Posted at 2011.05.23 (07:53) by かおる (URL) | [編集]
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プロフィール

かおる

Author:かおる
父の転勤をきっかけに、シドニーに住み始めて38年の心理カウンセラー。シドニー湾沿いののどかな街の小さなカウンセリング・ルーム(+シティのタウンホールクリニック)で、みなさんだれもが持っている「自己本来の輝き」を取り戻せるようお手伝いさせていただいています。

カウンセリングルームの詳細はwww.eastsidecounselling.com.au
をご覧下さい。

夫と22歳のひとり息子、そして13歳の元気なおじいちゃんわんこ(パグとジャックラッセルのミックス犬)が家族です。

心の辛さ、って目に見えにくいので、意外と自覚しにくのかもしれませんね。だから、ケアを怠り、ついつい自分を叱咤激励して先へ先へ進もうとしてしまう方も多いのではと思います。
このページは、そんなあなたに「ちょっと、小休止」の機会となり、たまには、あなたの「こころ」から届くメッセージに耳を傾ける、きっかけになれば、と思います。
ブログを通じて、みなさんと一緒に「こころの癒し」や「自分を大事にすること」また、「自己セラピー」等について色々な角度から考えてみたいと思います。
ぜひお気軽にご意見や質問などお寄せくださいね。
お待ちしています。

eastsidecounselling@bigpond.com

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