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青い目の祈り

祖国、日本が巨大地震と津波に襲われ、シドニーの私達も心配で、こころのどこかにいつも暗い陰があるような感じがします。その気持をどうにかポジティブに生かそう、という試みから、街頭募金やコンサートなどが各地で行われています。募金のカンを抱いて立つ我々にとってありがたいのは、道すがらのオージー(オーストラリア人)の温かさ。多くの方が$50、そして$100などの 大金を惜しげもなく箱に入れ、引き換えに渡される折り鶴を大切そうに持ち帰ってくれます。

そんなある募金活動の一環として行われた義援金コンサートでのひとこま。さまざまなコンサート、ダンスなどのイベントが続き、1日がクライマックスに近づいた頃、被災地の方々への想いを込めたメッセージを綴った大きな折り紙を使って鶴を完成させると、会場はなんともいえない一体感に包まれました。そして迎えた最後の黙祷。日本の方々へ、シドニーの我々からそれぞれ違った想いや願いを込めての静かな1分間。なんとその時、青い目でシルバーの髪の毛の85歳ぐらいのオーストラリア人のおじいさんの真剣な姿がふと目に入りました。
「黙祷!」という英語の合図が聞こえると、それは真摯に帽子を脱ぎ、祈りを捧げてくれていたのです。その無意識に帽子を脱いで目を閉じた一連の動作から、彼は多分、第2次世界大戦中は日本軍を敵として闘っていた兵士なのではという思いがよぎりました。その昔、敵国だった国、日本。多くのオーストラリア人兵士が日本軍の手によって殺され、また強制的労働を強いられたという過去があったというのに。時は流れ、時代の移り変わりとともに記憶は薄れなくとも、「こんな惨事とあっては、敵も味方もない!」とばかり、ただただ、神聖なる彼の想いを伝えるため、祈りを捧げてくれているのです。

一瞬のうちに、そんな背景を想像してしまった私の目には、それまで押さえていた涙が溢れてきました。通常、募金といえば、$5や$10でも大きいお金だというのに、その10倍の金額を惜しげもなくいれてくれる人々。ありがたさとともに、この大事なお金と、そしてこのおじいさんの真摯な想いが一刻も早く被災地の方々の手元に届くようにと、私も再度目をつぶりました。
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プロフィール

かおる

Author:かおる
父の転勤をきっかけに、シドニーに住み始めて38年の心理カウンセラー。シドニー湾沿いののどかな街の小さなカウンセリング・ルーム(+シティのタウンホールクリニック)で、みなさんだれもが持っている「自己本来の輝き」を取り戻せるようお手伝いさせていただいています。
専門は、個人またはカップルカウンセリング、家族カウンセリング。

カウンセリングルームの詳細はwww.eastsidecounselling.com.au
をご覧下さい。

夫と23歳のひとり息子、そして14歳の元気なおじいちゃんわんこ(パグとジャックラッセルのミックス犬)が家族です。

心の辛さ、って目に見えにくいので、意外と自覚しにくのかもしれませんね。だから、ケアを怠り、ついつい自分を叱咤激励して先へ先へ進もうとしてしまう方も多いのではと思います。
このページは、そんなあなたに「ちょっと、小休止」の機会となり、たまには、あなたの「こころ」から届くメッセージに耳を傾ける、きっかけになれば、と思います。
ブログを通じて、みなさんと一緒に「こころの癒し」や「自分を大事にすること」また、「自己セラピー」等について色々な角度から考えてみたいと思います。
ぜひお気軽にご意見や質問などお寄せください。
お待ちしています。

eastsidecounselling@bigpond.com

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