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人生で「確かなもの」vs「不確かなもの」

みなさんは、今までの人生を生きてきた経験から「確かなもの(certainty)」はなんだと思いますか?また「不確かなもの(uncertainty)」はなんでしょう?両方の項目で1つずつ言葉を思い浮かべてください。そして紙に書いてから、今度はその言葉を反対にしてみてください。つまり、「確かなもの」のところに書いた事柄を「不確かなもの」、そして「不確かなもの」のところに書いた事柄を「確かなもの」として考えてみてください。どうですか?どんな展開になりましたか?
これは、先日受けた実存主義心理療法の2日間に渡るセミナーで出されたエクササイズです。このセミナーはロンドンから来豪した実存主義心理療法の第一人者のひとりともいえるErnesto Spinelli。実存主義らしく、「むむむ…」と言葉につまってしまい、完全に理解しえない立場へ追い込まれました。そこには、「え、まさか!でも、そうか、いや、もしかして…」と果てしない哲学的な疑問へとつながる世界が広がっているようにみえました...
実存主義というと難しく考えがちですが、簡単にいえば、今、自分が存在するというその「存在」のあり方を拠点に物事を考える哲学。19世紀半ばのキルケゴール、ニーチェにはじまり、ハイディガー、サルトルなどに受け継がれてゆきました。なかなか定義しにくいのが実存主義ですが、このセミナーのフォーカスは、それまで物事を白か黒で捕らえてきた考え方を見つめ直し「いや、白あるいは黒だけでなく、白であっても黒であるものもあるのではないか?」「反対と思っていたものが、実は共通性を多く持つ同じようなコンセプトだったのでは?」という容易に答えのでない立場を考えてゆくアプローチともいえるかもしれません。西洋の人にとってそれは、当時、画期的なことでしたが、我々東洋の道教、儒教、仏教的アプローチでは、そういったつかみ所のない考え方も十分受け入れ易いかと思います。実存主義では、人間の存在における「生と死」を身近に捕らえている哲学でもあり、生きるということは「不安」や「とまどい」があって当たり前だ、と開き直って考える立場でもあります。

さて、上記の問いに対して私が書いたのは、「確かなもの=不安」、「不確かなもの=人生」でした。実存主義のセミナーということもありましたが、私にとって、生きて行く上で「不安」があって当たり前と思え、また、その不安があるがために、「人生」というのは、不確かなものになってしまっていたんですね。ちょっと悲観的かもしれませんが…。しかし、それを反対にしてみると…不思議な世界が広がりました。「確かなもの=人生」そして「不確かなもの=不安」。これは、「うわ~、えっ、まさか、そう来たか!」と何度も何度もそれがどういったコンセプトなのか考えたり想像したり…「不安自体が不確かであるとすると、人生は、確かなものになるの???」とそこにある真実が見え隠れするような鬼ごっこになってしまいましたが、そのお陰で人生を実存主義的角度から考えることがどうして私の興味をかき立てるのかがはっきりとわかったように思います。生きて行く上で、白、または黒とはっきりどちらかに断言しえないもの、たくさんあるんですね。白でもあり、黒でもあるもの、つまり、グレーなものとどのように折合いをつけてゆくのか。これが私の人生での課題のひとつなのかもしれません。みなさんも、このエクササイズ、よかったらお試しくださいね。何が見えてきましたか?


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プロフィール

かおる

Author:かおる
父の転勤をきっかけに、シドニーに住み始めて38年の心理カウンセラー。シドニー湾沿いののどかな街の小さなカウンセリング・ルーム(+シティのタウンホールクリニック)で、みなさんだれもが持っている「自己本来の輝き」を取り戻せるようお手伝いさせていただいています。
専門は、個人またはカップルカウンセリング、家族カウンセリング。

カウンセリングルームの詳細はwww.eastsidecounselling.com.au
をご覧下さい。

夫と23歳のひとり息子、そして14歳の元気なおじいちゃんわんこ(パグとジャックラッセルのミックス犬)が家族です。

心の辛さ、って目に見えにくいので、意外と自覚しにくのかもしれませんね。だから、ケアを怠り、ついつい自分を叱咤激励して先へ先へ進もうとしてしまう方も多いのではと思います。
このページは、そんなあなたに「ちょっと、小休止」の機会となり、たまには、あなたの「こころ」から届くメッセージに耳を傾ける、きっかけになれば、と思います。
ブログを通じて、みなさんと一緒に「こころの癒し」や「自分を大事にすること」また、「自己セラピー」等について色々な角度から考えてみたいと思います。
ぜひお気軽にご意見や質問などお寄せください。
お待ちしています。

eastsidecounselling@bigpond.com

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